薄毛について

薄毛について

年齢を重ねるに連れて、抜け毛が増えて毛髪のボリュームが薄くなったり、髪の1本1本が細く・弱くなってしまったりしてきたと感じる機会が増えるものです。
薄毛と言えばAGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)が代表的ですが、近年では女性の方が悩まされるケースも多くなってきています。

薄毛の原因は人によって様々です。
例えば、AGAであれば体内のテストステロンが特定の還元酵素と結び付くことで原因物質に変化し、頭髪のヘアサイクルが乱れます。
女性の場合は、ホルモンバランスの乱れや過度なダイエットによる栄養不足が多いようです。
遺伝、生活習慣、ストレス、カラーやパーマといった外的要因など、いろいろなパターンが考えられますので、気になる方は専門医に相談して原因の特定から始めると良いでしょう。

髪の大部分はケラチンというたんぱく質で構成されており、ケラチンの生成にはアミノ酸やミネラル、ビタミンなどの栄養素が必要です。
それらの栄養素は血液によって頭皮へと運ばれていますが、上記のパターンやその他の原因で血液の循環が滞ってしまうと、髪が十分に育たなくなり薄毛や抜け毛に繋がります。
健康な方でも1日あたり50~100本の抜け毛があると言われていますが、この抜け毛が多くなったと感じたら注意が必要かもしれません。

糖尿病と薄毛の関係

糖尿病と薄毛に、直接的な因果関係はないとされています。
糖尿病が薄毛の進行を加速させたり、薄毛になることで糖尿病の発症リスクが高まったりしたケースは、現在のところ確認されていません。
しかし、糖尿病の合併症によって薄毛が誘発されるケースは十分に考えられるので注意が必要です。

例)

  • 高血糖が続いて血管がダメージを負い、血液の循環が滞ることで髪の成長が阻害される。
  • 皮膚トラブルで痒みが発生し、搔きむしったことにより頭皮へダメージを与えてしまった。
  • 糖尿病治療薬の副作用で薬剤性脱毛症を引き起こした。

など

また、先述した薄毛の原因パターン(ホルモンバランスの乱れ、栄養不足、生活習慣、ストレスなど)の多くは、糖尿病の発症リスクを高めるものでもあります。
そのため、どちらか片方を発症している方は、将来的にもう片方も発症してしまうリスクが高い傾向にあるようです。

薄毛の予防

薄毛は、1度進行が始まってしまうと元の状態へ戻すのは難しいです。
薄毛治療も多くの場合は症状の進行を遅らせることを目標としていますので、発症してから治療を急ぐのではなく、症状が本格化する前に早めの予防対策をしておく心構えが肝心となります。

すでに糖尿病だと診断されている方に関しては、まずかかりつけの医師に相談してみて下さい。
糖尿病治療によるストレスや薬剤性脱毛症のリスクを検討し、よりご自身に合った改善方法を見つける足掛かりとなるでしょう。

糖尿病と診断されていなくとも、高血糖の自覚がある方は、ご自身の生活を振り返って原因となり得る要素を探してみてください。
特に、食事や生活習慣を整えることは、糖尿病予防にも薄毛予防にも効果的です。
身体も髪も一生ものですから、きちんと労わりながら上手に付き合っていきたいですね。