糖尿病になりやすい人とは

糖尿病になりやすい人とは

「糖尿病になりやすい人」や「糖尿病の可能性がある人」について簡単に検索すると、おおよそ以下のような項目がヒットするかと思います。

  • 甘い物や脂っこい物を好んで食べる
  • ジュースを好んで飲む
  • コンビニ弁当や外食が多い
  • 野菜をあまり食べない
  • 肥満体型
  • ストレスを抱えている
  • 飲酒や喫煙を好んでいる
  • 睡眠または運動不足
  • 近親者に糖尿病の人がいる

厚生労働省の調査によれば、糖尿病が強く疑われる人の割合は加齢と共に増加していく傾向にあります。
体力や免疫力が低下していく一方で、生活習慣が乱れたりストレスを抱えたりした結果、これらの項目に該当する生活が続いてしまうのでしょう。
ただ、上記の要素のうちのほとんどは、正確にはⅡ型糖尿病になりやすい人の特徴です。

糖尿病は、生活習慣に起因している場合はⅡ型糖尿病、妊娠がきっかけとなっている場合は妊娠糖尿病など、発症した原因によっていくつかの型に分けられます。
その全ての型の発症の土台となっている可能性が高いとされているのが遺伝子です。
上記の要素のうち、1番下の「近親者に糖尿病の人がいる」という項目に注目してください。
近親者の中に糖尿病の方がいる場合、その遺伝子情報が産まれてくる子供へ継承され、糖尿病になりやすい体質になってしまうケースがあります。
「元々なりやすい体質である」という土台の上に、ウイルス感染や生活習慣の乱れ、妊娠のような要因が重なることで、当人も糖尿病を発症してしまうのです。

参考:厚生労働省「糖尿病に関する留意事項」

糖尿病と遺伝

糖尿病と遺伝

糖尿病の遺伝は、近親者が発症している疾患そのものがそのまま子供に継承されるわけではありません。
インスリンを分泌する力が弱い、太りやすい、といった糖尿病を誘発しやすい体質が継承されるのです。
これらの先天的に持っている遺伝的要因と、先述したような環境的要因が作用し合った結果、糖尿病の発症へと繋がっていきます。

自分と似たような生活をしている、あるいは自分よりも明らかに不摂生を繰り返している方が、それでも自分よりもずっと健康に過ごせているのは何故だろう…と考えた経験はありませんか?
断言はできませんが、その理由には遺伝子が関わっているかもしれません。
親から受け継いだ遺伝子の影響により、特定の疾患に罹りやすくなっている方は意外と多いものです。
糖尿病に限って言えば、どれだけ普段の自己管理を徹底していても体質的な問題で発症してしまう場合や、逆に体質的には何の異常もないのに自己管理の不足が原因で発症してしまう場合などが考えられます。

遺伝的要因と環境的要因のように、いくつかの要因が重なって発症する疾患を多因子疾患(または他因子性疾患)、たった1つの重要な遺伝子情報の異常によって発症する疾患を単一性疾患と呼びます。
糖尿病の多くは多因子疾患に該当するものですが、中には単一性疾患として若い頃に突然発症してしまうケースもあるようです。
そちらはMODY(Maturity Onset Diabetes of the Young:家族性若年糖尿病)と呼ばれており、糖尿病検査と遺伝子検査で診断した後、適切な治療を行っていく必要があります。

身近な人のサポート

身近な人のサポート

一生付き合っていく疾患だからこそ、患者が健やかな生活を維持するためには周囲のサポートが重要です。
ご家族、ご友人、パートナー、職場の同僚など、身近な人たちからの理解や協力があるだけで、長い闘病生活に打ち克つモチベーションへと繋がります。

糖尿病患者のサポート①糖尿病を理解する

ご自身や身近な誰かが糖尿病を発症した時、真っ先にするべきは糖尿病について知ることです。
ご自身が治療に取り組む立場であっても、治療に取り組む方をサポートする立場であっても、敵を知らなければ行動を起こすことはできません。
自分が何をするべきなのか、何をしてほしいのか、何をしてあげられるのか…医療機関とも上手く連携を取りながら、適切な距離感を探して向き合っていきましょう。

糖尿病患者のサポート②患者の状態を把握する

長期的に治療に取り組んでいると、途中で気持ちが緩んでしまい、食事・運動の管理や投薬、検診などを疎かにしてしまう方もいらっしゃいます。
「1回くらいサボっても平気だろう」と考えてしまう気持ちも分かりますが、その1回が1日に変わり、やがて3日、1週間、1ヶ月…と続いてしまうと大変危険です。
生活習慣が乱れていないか、薬の飲み忘れがないか、定期的に検診を受けているかなど、患者の状態を把握し、必要であれば助言やフォローができるようにしておくと良いでしょう。

糖尿病患者のサポート③治療や通院の補助

真剣に治療について考えている姿勢を見せることは、患者の心を勇気付けるきっかけとなります。
一緒に食べられる食事のメニューを探してみる、適度な運動を楽しく続けられるよう一緒に取り組む、血糖値の推移や管理方法について意見を出し合う、通院をサポートするなど、患者の心身の負担を少しでも軽くするための体制作りが大切です。

糖尿病患者のサポート④メンタルケア

糖尿病患者の中で、うつ病を併発している方の割合は全体の約30%にもなるとされています。
治療に対する精神的なストレス、将来への不安、理解のない方々からの偏見などにより、精神状態が不安定になりやすいのです。
残念ながら、世の中には「糖尿病=だらしない生活をしている」「親がだらしないから子供も同じようになる」といった思い込みで心無い言葉を投げ付けてくる方もおり、病気で苦しむ患者を更に追い詰める原因となっています。
患者の心を守り、前向きな気持ちになれるような言葉をかけてあげてください。

参考:厚生労働省「糖尿病とこころ」